本年度も第６回賢島映画祭を例年の様に賢島宝生苑において上映をさせていただき会場にて審査を行い各賞を決めさせていただく予定でございましたが、先般ご案内の通りコロナウイルス感染症拡大防止の為に会場での開催を中止とさせていただきました。上映を楽しみにされておられました皆様方に深くお詫びを申し上げます。
さて、今回の審査結果ですがグランプリ作品および準グランプリ作品の評価が分かれて大変決定が難しく苦労を致しました。
グランプリを受賞されました「はらいそクラブ」はあの世との行き来をするファンタジーエンターテイメント。かつて子供だった時の夏の思い出を感じさせる。主演女優の北村沙羅は、池脇千鶴の中学生時代を彷彿させ堂々とした演技に脱帽する。主演男優の田中陽太は複雑な心境と段々衰弱する自身の肉体を演じきった。準グランプリの「欲望の怪物」は主役の女性を取り囲む三名の女性の存在感がパワフルゆえ、主役の存在を繊細にしている計算された演出が印象的だった。もう一点の「それはまるで人間のように」は人間をテーマに非現実的な空間との描写の中で人間の表裏を巧みに魅せてくれる奥深い作品になっている。
特別賞の「旧グッゲンハイム邸裏長屋」はあえてドラマ性を排除し、ゆるぎない演出でドキュメンタリー的な空気感を終始保っている作品であった。その他の今回受賞しなかった作品もそれぞれに個性的な作品が揃っていて大変興味深く観させていただきました。
来年も第７回賢島映画祭を開催することを予定しております。
是非ともご参加いただけましたら幸甚に存じます。